細胞から若返る!
「テロメア・エフェクト」
健康長寿のための最強プログラム
著者:エリザベス・ブラックバーン (著), エリッサ・エペル (著),
森内 薫 (翻訳)
出版社: NHK出版
発行日:2017年2月22日
テロメア・エフェクト
テロメアでノーベル医学生理学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーンの書いた本。
テロメアと健康や長寿な関して学べる本になっている。
この本を書いた目的は、テロメアと老化の関心は今、急速にたかまりつつある。
そして、
ちまたにあふれる情報には正しいものもあるが、誤解を招くものもある。たとえば、ある種のクリームやサプリメントがテロメアを伸ばし、寿命を延ばすとまことしなやかに主張する人がいる。
こうした製品がもし本当に体の中で機能したら、がんにかかるリスクを増やしたり、そのほかの危険な作用をもたらす可能性がある。
こうした深刻なリスクの潜在性を評価するための大規模で長期的な調査が今必要になっている。
細胞をノーリスクで伸ばす方法は、いくつか知られている。
その中で最良のものをいくつか、この本におさめた。
即効性はないかも知れない。
けれど、研究にもとづいた具体的なアイディアはきっと見つかるはずだ。出典明記:テロメア・エフェクト 著者:エリザベス・ブラックバーン P11
テロメアって何だ?
「テロメア」とは染色体の先端部分のこと
テロメアは、染色体のDNAの端には、
タンパク質でできた鞘のようなものがあり、
それがDNAの束を保護する役割をしている。
本書の中で例えが出てくるが、靴ひもの先端の鞘のようなもの。
矢印のようなイメージ。
その鞘の部分にテロメアがある。
テロメアは、極めて小さいが、染色体の中で非常に重要な役割を果たしている。
「テロメア」とは染色体の先端部分を指し、寿命を司り、加齢とともに短くなることがわかっている。
最新の科学によれば、生活習慣しだいでテロメアを伸ばし、健康寿命を延ばすことができるようだ。
「テロメア・エフェクト」には、テロメアに関することが細かく具体的に、多くの事例と共に書かれている。
全体では440ページほどあり、少し厚めの本で、読書に慣れてないと読むのがつらく感じるかも知れない。
そんは時は、ザックリ目を通して、部分的に読んでいく方が理解しやすい。
下記に一部の内容をまとめてみたので、参考になればと思う。
テロメアを守るためにはどうすればいい?
テロメアに関して、第3部の細胞を守る部分が興味深く読めた。
第3部:テロメアを守るためにできること
・第7章 運動はテロメアを鍛える
・第8章 テロメアの疲労と睡眠
・第9章 体重とテロメア:健康的なメタボリズム
・第10章 食べ物とテロメア:細胞の健康のためには何を食べるべきか
運動はテロメアを鍛える
運動の有益性だけでなく、座りっぱなしが代謝上の健康に非常によろしくないという事実。
現在では、複数の研究から、座ってばかりいる人のテロメアが、少しでも運動をする人に比べて短いことが確認されている。
運動には、酸化ストレスや炎症を抑える働きがある。
だが、週末だけ激しい運動をしている人は要注意。
過剰な運動は逆に酸化ストレスを増加させる危険性があるからだ。
テロメア保持のためには、過酷な運動計画は必要でない。
細胞の健康のためには、強めの有酸素運動が最適。
本書では3つのプランを紹介
・<安定的な有酸素運動>
60%ぐらいの力で歩く、もしくは走る。
これを一度に40分間、週3回程度
・<高強度インターバルトレーニング>
ウォームアップのあとに、インターバルを4回繰り返す
インターバル:ラン(速い)(遅い)3分間
クールダウン
・<少し緩めのインターバルトレーニング>
ウォーキングによるインターバル
速足ウォーキング3分、ゆっくり歩く3分
プラン化した運動のほかに、一日中、何かと体を動かす習慣をつけることが重要。
日常生活の一部として運動が組み込まれてしまえば、あなたは座りっぱなし族から抜け出すことができる。
過酷な運動までは必要ないが、そこそこの運動を行うことは大事である。
食べ物とテロメア
食べ物とテロメアでは、「細胞の健康のためには何を食べるべきか」が書かれている。
この部分はとても興味を引かれると思う。
健康的な食べ物は本書を参考にしてほしいが、
それ以上に、重要なのは、加工食品や砂糖の入った商品、ジャンクフードなどの細胞の敵にエサをやるような食習慣をやめること。
これは本当に大事だと感じる。
実際に習慣化しようと思うと、いろいろな誘惑もあり難しい部分ではあるが、「テロメア・エフェクト」では習慣形成にも触れている。
自己評価テストもあるので活用して、健康長寿に効く運動、食事、睡眠、ストレス対処法を学んでみてはいかがだろうか?